京都医療センター

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日本内分泌外科学会で、当院の牛呂医師が最優秀論文賞を受賞しました

日本内分泌外科学会雑誌 第39巻1号~4号(2022年)に掲載された論文のうち、査読を受けた投稿原稿を対象に、編集委員全員による投票で選考が行われました。
その結果、当院耳鼻咽科・頭頸部外科の牛呂医師が最優秀論文賞を受賞しました。

2022年度
						日本内分泌外科学会雑誌最優秀論文賞選考結果

受賞のことば

日本内分泌外科学会雑誌最優秀論文賞を受賞して

国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
牛呂幸司

この度2022年度日本内分泌外科学会雑誌最優秀論文賞を授与していただき、大変光栄に存じます。
本論文は国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科において2015年から現在までの間、術前に抗血栓薬を休薬せずに甲状腺・副甲状腺手術を行ってきたことに基づいて、それが術後出血性合併症に影響するのかを後方視的に解析した報告です。抗血栓療法の中断が血栓塞栓性合併症のリスクを上昇させることが明らかとなっています。高齢化の進行により抗血栓薬を服用している患者数は増加しており、そういった患者に甲状腺・副甲状腺手術を行う機会も増加しています。様々な外科領域において抗血栓薬を休薬せずに手術を行う選択が広がっており、甲状腺外科領域においてもその検討はとても意義あるものと考えられます。ただ甲状腺・副甲状腺手術における後出血は緊急に対応しないと致死的にもなりうる重篤な合併症であり、当施設の様々なスタッフが迅速な対応を可能とする体制を築きあげてきたことで得られた成果です。今回の受賞の栄誉を分かち合いたいと思います。

本論文は後方視的ではありますが恣意的な症例選択なしに抗血栓薬を継続したまま手術を行ってきた結果の報告であり、甲状腺外科領域において今までなかった報告と思います。今後の甲状腺外科における抗血栓療法の取り扱いに関するさらなる検討につながっていくようになれば幸いに存じます。

末筆ながら、丁寧な査読と貴重なご指摘をいただいた先生方や、ご選考の労を賜りました伊藤研一綱集委員長をはじめとする編集委員会の先生方に厚く御礼を申し上げます。

令和5年3月