循環器内科
心不全と心不全チーム
2018年に発表された日本循環器学会からの最新のガイドラインで、心不全とは“心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気”と定義されています。心不全は、一旦発症すると、何度か急な悪化を繰り返しながら、徐々に病気が進んでいきます。心不全の治療では、なるべく病気の悪化を抑えて、病気をコントロールしながら上手に付き合っていくことが大切です。
当院では心不全の方の治療・生活を支援するために2013年から心不全チームを結成しました。心不全の治療で重要な薬物療法・食事療法・運動療法・日々の体調管理、また疾患だけでなく生活や社会的な支援も含め、各専門職がチーム一体となって、“心不全再入院を防ぐ”を合言葉に診療にあたっています。
チームのメンバー
- 医師(井口 守丈、濱谷 康弘、中島 康代(心臓リハビリ))
- 看護師(竹内 美咲、小川 恵、野村 雅隆、萩原 亜沙美、高田 早苗、小谷 実希、橋 美千代、貞方 良太、前 翠里)
- 理学療法士(安田 夏盛、渡邊 俊介、高本 美菜)
- 地域医療連携室(井垣 美紗子)
- 栄養士(中村 玲欧菜)
- 薬剤師(池上 洋平、市原 英則、藤本 佳奈、東 里奈)
- 緩和ケアチーム(木下 多愛、坂井 みさき)
チームの活動
- 心不全パンフレットを用いた疾患の指導
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入院中、看護師がパンフレットを使って、心不全の病態・服薬管理・食事療法・生活で気をつけることについてそれぞれの患者さんに応じてお伝えします。
敵を知れば百戦危うからずで、患者さん自身が自己の病気のことを知り、病気とうまくつきあっていけるよう関わっています。 - 心臓管理手帳による体調管理
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心不全では、毎日の体調管理が大事です。普段から体重と血圧を測って、毎日の体調に注意しましょう。悪化してきたときは早めの対処が肝心です。受診の目安を“タイム”でお伝えしています。
- 心臓リハビリ
運動療法は下手な薬物療法よりも心不全に対する予後の改善効果が認められています。専門のスタッフが適切な運動療法について指導いたします(心臓リハビリのページを参照ください)。
- 栄養指導
患者さんにより、塩分過多や食事バランスの偏りといった食事内容の課題は様々です。退院後の食事療法の実践に向けて、患者さんのライフスタイルにあった食事提案ができるよう努めています。お気軽にご相談ください。
- 薬剤指導
薬の副作用や相互作用の確認、心不全治療薬の投与状況の確認、患者さんへの服薬指導の実施などを行います。薬剤師が介入することでより効果的で安全な薬物療法の実践を支援しています。
- 退院支援
地域医療連携室の退院支援職員が、患者さん・家族さんが必要とされている退院支援の方向性を導き出し、病棟のスタッフと協力して医療・介護・福祉に関わる地域の機関と連携し退院調整を行っています。
- 外来心不全看護
心不全の再発・再入院を減らすために、異常を早期に発見し、個々の患者さんに応じて適切な運動療法や生活指導を継続していくことが目的です。
外来看護師と連携を図り、継続的にフォローが必要な患者さんをピックアップし、外来受診された時に、患者さんの生活状況、運動状況を確認し、退院後の生活がどのように変化し、困っていることがないかを確認しています。- 心不全カンファレンス (月2回 月曜日 16:30~17:00 2病棟7階)
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悪化での入院を繰り返している方を主な対象に、月2回チームのメンバー全員が集まって、カンファレンスで方針を話し合っています。
カンファレンスの様子
- 心不全緩和ケア
病気と付き合っていくうえで、苦しいこと・不安なこともあると思います。そのような苦痛に対して専門のチームがサポートします(心不全緩和ケアのページを参照ください。)
- 心不全チーム勉強会
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(奇数月 第3 or 第4 火曜日 17:30~18:15 外来棟4Fカンファレンス室)
地域との連携・心不全診療のレベルアップのため、定期的に勉強会を開催しております。ご興味のある方は当院の地域医療連携室または深草地域包括までお問合せください。- 第10回
- 『心不全の基礎知識』 循環器内科 井口 2019/5/28
- 第11回
- 『心不全患者の栄養指導と宅配食の試食会』管理栄養士 出島 2019/7/23
- 第12回
- 『症例カンファレンス』 2019/9/17
- 第13回
- 『バッドニュースの伝え方』 癌専門看護師 櫻井 2019/11/26
- 第14回
- 『心不全の検査の見かた』 京都医療センター循環器内科 井口 2020/1/28
- 第15回
- 『自宅でできる心臓リハビリ』 理学療法士主任 安田 2020/3/24予定
部門責任者:井口 守丈