循環器内科

循環器内科

心臓(冠動脈)CT

心臓CTとは

冠動脈CT

狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈(心臓を栄養する血管)の狭窄をCTで調べる検査です。最近のCTの技術の進歩により、以前はカテーテル検査でしか調べることができなかった冠動脈の狭窄をCTで調べることができるようになりました。当院でも2011年4月から次世代マルチスライスCTであるフィリップス社の256列CTを用いて心臓CT検査を行っております。

心臓CT検査の利点

カテーテル検査に比べて体への負担が少ないため、外来で検査することができます。冠動脈の狭窄だけでなく、石灰化や動脈硬化の程度をみることもできます。

心臓CT検査の欠点

動脈硬化の強い方や不整脈などで脈拍が不安定な方では、きれいに撮影できないことがあります。また、造影剤を使用する必要があるため、造影剤のアレルギーがある方・腎臓の悪い方は検査できません。

撮影の手順

  1. 受付の後、看護師から問診があります。
  2. CT検査室に入室後、心電図を付けて、右手に注射をします。
  3. 血管を広げて見やすくするため、ニトロのスプレーを口の中にいれます。
  4. 位置合わせ用の画像を撮影します。
  5. 脈拍が速い方では画像がぶれやすくなるので、脈を遅くするための薬(β遮断薬)を注射します。
  6. 造影剤を点滴して、本番の撮影をします。
  7. 状態を確認して終了です。

検査の注意事項

造影剤を使うため、検査の4時間前からの絶食をお願いしています(飲み物は構いません。)
ビグアナイド系の糖尿病薬を飲まれている方は検査前後2日間は中止してください。

256列マルチスライスCT

一度に256断面を撮影することができるCTです。一度にたくさんの断面を撮影することができるため、撮影時間を短縮し、造影剤量や被ばく線量を減らしながら撮影することができます。また、撮影速度も速くなっているためにこれまでのCTでは撮影が困難であった不整脈症例でも冠動脈の撮影をすることができます。

心房細動症例での画像

心臓CTの最新技術:FFRCT

FFRCTとは心臓CTで撮影された画像を、スーパーコンピュータ―で解析することで、冠動脈の各部位におけるFFR(Functional Flow Reserve)注1)を算出するハートフロー社のプログラムです。当院でも、2020年2月から京都で初めて導入しました。 心臓CTでは冠動脈の狭窄の評価はできても、心筋虚血(血流の障害があるかどうか)の評価はできませんでした。このため、心臓CTで狭窄が見つかると、治療の適応をみるためには追加の検査(心筋シンチや心臓カテーテル検査)が必要でした。

FFRCTにより、これまでの心臓CTでは評価できなかった心筋虚血の評価が可能となります(図)。また、すでに心臓CTで撮影された画像を用いて解析を行うため、追加の検査は必要ありません注2)
FFRが正常であれば、冠動脈狭窄はあっても血流の障害はないので、血流をよくする治療(風船やステント治療)をする必要がないということになり、追加のカテーテル検査を受けなくてよくなります。
負担を減らして、より正確に、冠動脈疾患の精査を行うことができます。

注1)FFR:Fractional Flow Reserve(冠血流予備量比)の略で、冠動脈に狭窄があった時に、それによって虚血(血流の障害)があるかどうかをみる指標です。FFRが低下していれば、ステントや風船治療の適応と考えられます。

注2)別途解析のための費用はかかります。


CT検査室とスタッフ

部門責任者:井口 守丈


血管内イメージング

血管内イメージングは、主にカテーテル治療の際に使用して、病態の理解を深めたり、病変に適した治療方針を考えたり、行われた治療が適切であったかどうかを評価するのに役立てられています。当院で冠動脈や下肢血管などのカテーテル治療(経皮的血管形成術)を行う際には、例外的な場合を除き全ての患者様に血管内イメージングを用いており、より質の高い治療を提供できるよう努めています。
現在当院で使用している血管内イメージングには、血管内超音波検査(Intravascular ultrasound, IVUS)と、より解像度の高い光干渉断層法(Optical coherence tomography, OCT)の2つがあります。それぞれの特性を考慮し、治療対象となる病変に最も適切なデバイスを選択していますが、どちらのデバイスも血管の内側から直接病変を観察することができるため、従来の造影検査やCT検査と比較して、より詳細な情報を得ることができます。これらの情報を最大限活用し治療に役立てることで、患者様が血管治療を受けられたあとも元気で長生きできるよう、力を尽くしております。

部門責任者:藤野 明子


心エコー

心エコ―(心臓超音波)検査は、あらゆる心疾患の画像検査として無くてはならないものです。体への侵襲が無い検査で、心疾患の正確な診断や適切な治療に繋げていく事が出来ます。当院では、経験豊富な臨床検査技師と循環器内科医師が協力して、質の高い検査に努めています。


(当院の心臓超音波検査室の1コマ)

心エコーについて

心臓に超音波(人間の耳には聞こえない音程の音波)をあてて、その反射波(エコー)を画像化する事により、心臓の状態をリアルタイムで検査する事が出来ます。

心エコー検査でわかる事

心臓は、左心室・右心室・左心房・右心房と呼ばれる4つの部屋と、逆流を防止する4つの弁から出来ています。心エコーでは、心臓の形態や動き、逆流防止弁の機能、血流の流れなどが分かります。心筋梗塞、心筋疾患、弁膜症、先天性心疾患など多くの心疾患がこの検査で診断できます。また、治療方針の選択や治療効果の判定にも役立ちます。

心筋疾患(心肥大)

弁膜症(僧帽弁逆流症)

心エコー検査の方法

胸に検査用のゼリーを塗って、プローブと呼ばれる道具を肌に当てたり、移動させたりしながら心臓の状態を観察します。お体への負担や放射線被ばくのない、患者さんにとってとても優しい検査法です。検査前の食事制限なども必要ありません。心臓を観察しやすくするために体を左向きにして頂く事や、息を止めて頂く事があります。検査は通常は20-30分程度ですが、病気の種類や患者さんの状態で異なります。


(心エコー検査の様子)

経食道心エコーについて

食道は心臓のすぐ真後ろにあります。食道側からエコー検査を行うと、通常の心エコーでは見ることが難しい心臓の各部位を詳細に観察することが出来ます。

経食道心エコー検査でわかる事

心臓と接している食道から心臓を観察するため、骨や肺などに邪魔されずに心臓を観察できます。特に、心臓の逆流防止弁の状態や、血栓(血の塊)や疣贅(ばい菌の塊)などの異常構造物の有無について調べる場合にきわめて有用な検査です。

3D構築した経食道心エコー

僧帽弁逆流症の一例

経食道心エコー検査の方法

経食道エコーは、胃カメラと同じ器具の先端に小さなプローブがついた専用のファイバー(直径約1cm程度)を食道に挿入し、心臓を観察します。ファイバーを挿入する際に苦痛が無いように、検査の直前にゼリーやスプレーで喉の局所麻酔を行います。口にマウスピースを噛んでいただき、患者さんの負担が無いように、軽い鎮静をかけた後にファイバーを挿入しています。検査前には4-6時間程度の絶食が必要になります。検査は通常は15分程度ですが、病気の種類や患者さんの状態で異なります。


(経食道心エコー検査の様子)

診療実績と学術活動

当施設では、500-600件/月程度の心エコー検査と、15-20件/月程度の経食道心エコー検査を行っています。その他、運動負荷エコー検査等にも取り組んでいます。
また、下記のように若手医師や臨床検査技師を中心に学術活動にも取り組んでいます。

  • 肺癌術後の肺静脈断端部左房内に血栓形成を来した心房細動の1例(日本心エコー図学会総会)
  • 肺動脈弁位機械弁置換術後に人工弁機能不全を来し、精査加療方針に苦慮した1例(日本心エコー図学会学術集会)
  • 一酸化炭素中毒後に心筋障害を来し、左室心尖部血栓を合併した1例(日本超音波医学会学術集会)
  • 右心房に巨大転移巣を形成した進行性膀胱がんの1例(日本超音波医学会学術集会)
  • 労作時息切れの精査目的に運動負荷心エコーを施行した強皮症患者の一例(負荷心エコー研究会)


(心エコー担当の臨床検査技師と循環器内科医師)

部門責任者:濱谷 康弘

電話番号0756419161 救命救急|24時間365日対応

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