がんセンターのご紹介
紹介
京都医療センターは5大がんをはじめとして、各種がんの診療に当たっており、組織横断的な診療を円滑に行えるように院内がんセンターを設けています。以下に当院で行っている診療について紹介していますので受診の参考としてください。紹介内容はあくまで一般的な事がらに限っておりますので、個々の患者さんに該当するかどうかは受診の上で担当医にお聞きください。小児がんや一部の稀な腫瘍については当院では診療していない場合がありますので、ご不明の際にはがん相談支援センターでご質問ください。
ごあいさつ
京都医療センターは京都南部地域においてがん医療の中心的な役割を担う施設であり、京都府の地域がん診療連携拠点病院にも指定されています。
がんは日本人の死因の1位を占め、いまだに治療がむずかしい疾患ですが、ゲノム医療・免疫療法・高精度放射線治療・ロボット手術などの新しい治療法も次々に開発されています。また、がん患者さんには積極的な医療だけでなく、療養について相談する場所や、緩和医療も必要です。
当院では最新の診断・治療法を導入するとともに、がん相談支援センターや緩和ケア病棟を設け、安心して高度ながん診療を受けてもらえるようにしています。また、38診療科を有している総合病院ですので、併存症のある患者さんや、がん治療による合併症に対しも最良の医療を提供するよう努力をしています。
がん診療の4本柱 − 当院の特色
手術
がんに対する手術には、がんを取り切ることで手術単独で完治を目指す場合や、手術に化学療法や放射線治療を組み合わせて集学的に治療を行う場合、あるいは、症状を緩和したり機能を回復したりすることを目的とする場合があります。
がんセンターでは、患部を直接目で見て行う手術以外に、手術顕微鏡や内視鏡、あるいはロボットを用いた手術も行っています。
京都医療センターがんセンターには、それぞれの臓器のがんに対応した外科系診療科が揃っており、がんの発生部位や進展の程度によっては、複数の診療科が合同で手術を行うこともあります。
化学治療
癌に対する化学療法とは、抗がん剤を用いて癌細胞の増殖を抑えたり、破壊したりする治療法です。抗がん剤は、血液中に入り全身の癌細胞を攻撃します。化学療法は、手術や放射線と組み合わせて行われることもあり、癌の治療において重要な役割を果たしています。化学療法には、細胞分裂を妨げる抗がん剤や、免疫系を活性化させる免疫チェックポイント阻害剤など、さまざまな種類の薬剤があります。化学療法は、癌細胞だけでなく正常細胞にも影響を与えるため、副作用が起こる可能性があります。副作用の種類や程度は、個人差や薬剤によって異なります。副作用の予防や対処には、適切なケアが必要です。
放射線
放射線治療は、がん治療における重要な治療法の一つであり、がんの根治を目指す患者さんから、症状を緩和する目的まで幅広く利用されています。
近年では、高精度な放射線治療装置の導入により、精密な放射線治療が出来るようになりました。根治目的では、強度変調放射線治療を施行することにより、治療成績の向上、限局した再発や転移の場合は、体幹部定位照射を算定できますので、症状緩和率の上昇や副作用の軽減が期待できます。
緩和ケア
緩和ケアは緩和ケア外来、緩和ケアチーム、緩和ケア病棟で緩和ケアを提供しており、がんなどの生命を脅かす病気にかかっておられる患者さんとご家族に対して、がんの診断時から終末期まで、痛みなどの身体的苦痛や不安、家族、社会生活等、さまざまな苦痛を和らげ、快適な生活を送ることができるように、各診療科医師、精神科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等の多職種と連携し、患者さんとご家族を支援します。
がんの種類別治療
食道・胃がん (消化器内科) |
食道 (外科) |
胃がん (外科) |
大腸がん (外科) |
肝・胆道・膵がん (消化器内科) |
肝臓がん (外科) |
胆道 (外科) |
膵がん (外科) |
肺がん (呼吸器外科) |
乳がん (乳腺外科) |
血液がん (血液内科) |
腎・膀胱・前立腺がん (泌尿器科) |
卵巣・子宮がん (産婦人科) |
頭頸部がん (頭頸部外科) |
脳腫瘍 (脳神経外科) |
原発不明がん、希少がん (腫瘍内科) |
データでみる当院のがん治療
院内がん登録 2022年症例 施設別部位別登録件数 (初回治療件数)
登録件数 TOP3 | 1 | 2 | 3 | 当院の順位 (京都府下) |
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胃 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都医療センター | 京都府立医科大学附属病院 | 2位 |
大腸 | 京都大学医学部附属病院 | 京都第二赤十字病院 | 京都市立病院 | 4位 |
肝臓 | 京都大学医学部附属病院 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都第一赤十字病院 | 5位 |
肺 | 京都大学医学部附属病院 | 京都桂病院 | 京都市立病院 | 4位 |
乳房 | 京都大学医学部附属病院 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都市立病院 | 5位 |
子宮頸・体部 | 京都大学医学部附属病院 | 京都第一赤十字病院 | 京都医療センター | 3位 |
前立腺 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都大学医学部附属病院 | 京都第二赤十字病院 | 6位 |
リンパ/血液 | 京都大学医学部附属病院 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都第一赤十字病院 | 7位 |
膵・胆道 | 京都大学医学部附属病院 | 京都府立医科大学附属病院 | 京都第二赤十字病院 | 5位 |
院内がん登録 2019~2022年登録件数推移 (初回治療件数)
がん相談支援センター(患者支援センター)
がんの治療と仕事のことで悩んでいる、お金のことが心配、誰に相談してよいかわからない、そんながんに関する治療や療養生活全般についてのご相談に、看護師や医療ソーシャルワーカーが対応します。福祉制度、医療費、生活費、仕事との両立支援、外来患者さんの在宅医や訪問看護の導入調整、今後の療養先など何でもご相談ください。相談内容に合わせて、主治医や外来看護師、専門看護師、認定看護師など多職種と連携して、ニーズにお答えします。
セカンドオピニオン
セカンドオピニオン外来では、現在かかられている医療機関で勧められた治療法を選択するにあたり、納得して治療を受けられるよう、診断内容や治療法に関して当センターの専門医が意見や判断を提供します。完全予約制となっていますので、患者さんご本人(ご家族)から、主治医の先生に「セカンドオピニオンを受けたい」ことを相談し、診療情報提供書と検査資料をご依頼下さい。なお、セカンドオピニオン外来では新たな治療や検査、薬の処方は行いません。治療や検査をご希望の場合は一般外来を受診して下さい。