国立病院総合医学会





呼吸器科

>>呼吸器科トップページへ

肺がん・縦隔腫瘍・悪性中皮腫

がん死の中で最も多いのは肺がんです。肺がんは罹患数が多いだけでなく治癒率が低い難治ながんですが、新しい治療法の開発が急で、大幅な治療成績の改善が期待されています。そのため新しい治療を取り入れている施設と従来の治療を続けている施設では治療内容が異なってきています。当科では最新の研究結果に常に留意し、診療ガイドラインを守りながらも、最新・最良の治療を患者さんに提供できるように努力しています。



●検査の流れ

肺がんが疑われる患者さんが外来に来られた場合、まず胸部レントゲン・CTなどの検査を行います。そして、肺がんの疑いが強い場合には通常の気管支鏡や、超音波気管支鏡(EBUS-GS、EBUS-TBNA)、気管支鏡での診断が困難な場合はCTガイド下生検や、胸水貯留や胸膜病変に対してはセミフレキシブル胸腔鏡を用いた局所麻酔下での胸腔鏡検査を行い診断をつけます。治療の選択には診断と同様に病気の進行度(これを病期と言います)が重要ですが、造影CT、MRI、PET-CTなどの検査で病期を調べます。PET-CTは放射線同位元素を用いた検査で、低侵襲に全身への転移や腫瘍の活動性を調べることが出来る検査法です。当院は自院内に設備があるため治療を遅らせることなく迅速に検査を受けていただけます。



●治療方法

悪性腫瘍の治療は外科治療・放射線治療・化学療法(抗がん剤治療)があります。化学療法としては従来からの殺細胞的化学療法に加えて分子標的治療剤・免疫チェックポイント阻害剤があります。病期が早期であれば、外科的治療の対象となります。早期であっても外科治療が困難な場合には、定位放射線治療などの放射線治療の適応を検討します。病期が進行している場合は通常の放射線治療、化学療法、あるいはその両者を併用する治療を行います。 化学療法を行う時には肺がんの組織型、放射線治療と併用するかどうか、肺がん細胞の遺伝子検査や免疫染色結果をみて治療法を選択していきます。肺がん治療で現在最も早く進歩しているのは分子標的治療剤と免疫チェックポイント阻害剤ですが、当科では最新の治療法を提供するように常に努力しており、免疫チェックポイント阻害剤の使用経験については国内有数の施設になっています。

積極的な治療ができない患者さんや、がんによる強い症状がある患者さんにとっては緩和医療がとても重要です。当院はがん拠点病院であり、呼吸器内科・外科はもとより放射線科、化学療法部、緩和ケア部と緊密な協力関係を保ちながら肺がん診療を行っており、診断・治療から緩和ケアまで、患者さんに安心して最新の治療を受けていただけるように努力しています。



また、肺がんについては新たな治療への取り組みも重要ですが、京都胸部腫瘍研究グループ、関西臨床腫瘍研究会、日本・多国間臨床研究機構やその他の研究グループの臨床研究や当院での臨床研究などの臨床研究に参加すると共に、当院独自の臨床研究も行っております。