耳鼻咽喉科・頭頸部外科について
耳鼻咽喉科
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当科では、聴覚、発声、嚥下(食事)、嗅覚などの生活上きわめて重要な感覚器、運動器官を扱うため、その治療には細心の注意を払います。
各専門医がこれらの分野に適切にあたり、かつ最新の医療を提供すべく努めています。
頭頸部外科
- 鼻副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺、耳下腺などの悪性腫瘍に対して、手術、放射線、抗がん剤、分子標的薬、いずれも専門医が知識と技術を駆使し、できるだけ機能と形態を保存しながら、治療成績の向上に積極的に取り組みます。
- スタッフは常に頭頸部領域の腫瘍に対する手術能力の研鑽に努めます。
- 他科、他職種を含むチーム医療を実践し、単独科ではできない広範囲且つ高い水準の医療を行います。
- 若手の頭頸部外科医の育成に努めます。
- 頭頸部ロボット手術を行います。
- 頭頸部がん光免疫療法(頭頸部アルミノックス治療)を行います。
診療科紹介動画
患者さん、ご家族の方へ
医療関係者の方へ
診療科からのお知らせ
- 日本内分泌外科学会で、当科の牛呂医師が最優秀論文賞を受賞しました
- 鼻副鼻腔悪性腫瘍に関する多施設共同での後ろ向き解析:後ろ向きコホート研究
- 日本における頭頸部悪性腫瘍登録事業の実施(略称:HNCプロジェクト)
- 頸神経皮膚終末枝の温存による頸部郭清後早期の頸部知覚麻痺予防効果の検討
- 頭頸部癌に対する頸部郭清術において頚神経を温存することの腫瘍学的安全性の検討
- 頭頸部希少がんに関する多施設共同での後ろ向き解析:後ろ向きコホート研究
- 咽喉頭悪性腫瘍に対する内視鏡下経口的切除術の臨床的検討(多施設共同研究)
特色・取り組み
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耳鼻咽喉科全般を取り扱っていますが、耳疾患に対する治療と研究、頭頸部領域における悪性腫瘍の治療に力を入れています。
国立病院機構における、がんネットワークと感覚器ネットワークの専門病院です。- 取り扱い患者数
外来の1日当たり取り扱い患者数平均は約 70人であり、外来の新患割合は 約 12%です。入院診療に関しては、1日当たり取り扱い入院患者数の平均は約34人、平均在院日数は、進行した頭頸部悪性腫瘍の取り扱いが多いために 25日前後となっています。また医師1人あたりの入院患者取扱数平均は約 10 人です。 - 検査について
自覚的聴力検査(純音聴力検査、語音聴力検査など)、他覚的聴力検査(ティンパノメトリー、鐙骨筋反射試験、聴性脳幹反応検査など)、鼻アレルギー検査、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の各種ファイバースコピー、頸部超音波エコー検査ならびに穿刺吸引細胞診、誘発筋電図検査、顕微鏡下の処置・治療、電気眼振検査、 OKN 検査ほかの平衡機能検査一式、喉頭ストロボスコピー、 等の検査に対応しています。
- 手術について
年間の平均手術件数は約500件です。
人工内耳手術以外のあらゆる手術に対応していますが、人工内耳の適応である場合には、京都大学などへ紹介させていただきます。
- 進行頭頸部がんを中心に他病院からの紹介が多く、関西一円のみならず、次いで中国地方・中部地方・関東・四国・東北・北海道などからも治療(手術など)を受けに来られます。
- 取り扱い患者数
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一般耳鼻咽喉科手術としては、口蓋扁桃摘出術や鼻茸摘出術、鼓膜形成術や直達鏡下の喉頭マイクロサージェリー、内視鏡手術を含む副鼻腔手術や、鼓室形成術や内耳手術、頭蓋底手術や聴神経手術などに対応しています。
頭頸部外科手術では、治療をより良いものにするため、他科と以下のように協力し、集学的な治療が行えるようにしています。- 頭頸部がん治療においては放射線科と十分な意思疎通を行い、最善の治療を選択しています。
- 頭頸部がんの切除時の機能温存や切除後の機能温存のために、再建手術を行う形成外科と密に連絡をとっています。
- 進行がんに対する拡大手術を安全に行えるように、形成外科、脳神経外科、手術室、麻酔科と術前検討会を行っています。
- 頭蓋底浸潤を伴う癌に対する手術の際には、脳神経外科との連携をとっています。
- 分子標的薬使用に当たっては、腫瘍内科と密な連携を保って治療をすすめます。
- 頭頸部癌治療に先立って、口腔ケアを行うことで、手術あるいは放射線あるいは化学療法の合併症を最小限にすべく、歯科口腔外科と絶えず連絡を取りつつ治療を行います。
診療内容
主に以下の疾患について取り扱っています。
- 頭頸部がん:口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、上顎がん、唾液腺がん、甲状腺がんなど
- 甲状腺疾患:良性腫瘍、悪性腫瘍、甲状腺機能異常(バセドウ病、橋本病など)など →甲状腺センター
- 耳疾患:浸出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症など
- 鼻疾患:鼻中隔湾曲症、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎や、慢性副鼻腔炎など
- 喉頭疾患:声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯のう胞、声帯麻痺など
- 咽頭疾患:慢性扁桃炎、アデノイドなど
※各疾患に対する詳しい情報は、病名のリンク(青の文字)をクリックしてください。
●がん疾患について、段階と疾患に応じて以下のような手術を行っています。
初期がん
放射線治療も有効ですが、症例によっては粘膜切除、部分切除を行います。入院期間も1週間と短くて済みます。
進行がん、再発がん
広範切除+再建手術で対応します。 頸動脈浸潤再発頭頸部がんは手術適応がなく、姑息的化学療法などが行われることが多いですが、症例によっては頸動脈を再建することで根治が可能な場合もあります。
以下の条件を満たすならば、頸動脈を合併切除して根治させることが可能です。
- 遠隔転移がない
- 重篤な合併症がない
- 他の部位に癌が存在しない
- 頸動脈を再建する時間だけでも頸動脈遮断が可能である
頭蓋底進展がん
頭蓋底進行した腫瘍に対する手術は、全国的にも極一部の施設でしか手術を行っていませんが、当院では脳神経外科、形成外科との協力のもとに頭蓋底手術を行っています。
輸血できない手術症例
手術上必要な場合でも、患者さんの信念、病状などで輸血ができない事があります。当院では出血を極力抑える手術を行うことで輸血を回避しています。
他院で手術ができない症例でも、術中の工夫、術式の工夫などで手術を行っています。
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頭頸部がん専門外来(予約制)
・金曜日 9:30~(担当:安里) -
めまいセンター開設日(予約制) >>>詳細はこちら
・火曜日、水曜日 9:30~(担当:辻 純・田浦)