京都医療センター

臨床研究センター

先端医療技術開発研究室

研究室紹介

研究室長

和田 啓道

略歴

1994年 3月 京都大学医学部医学科卒業
1994年 5月 京都大学医学部附属病院 研修医
1997年 4月 日本赤十字社和歌山医療センター 循環器科医員
2002年 3月 京都大学大学院医学研究科(循環病態学)修了 (医学博士)
2002年 4月 ベルギー ルーヴァン大学 留学 (博士研究員)
2003年 4月 日本学術振興会 海外特別研究員
2006年 6月 京都医療センター 展開医療研究部 先端医療技術開発研究室長

専門分野

慢性冠症候群のコホート研究、心血管リスク層別化のためのバイオマーカー開発

認定医・専門医・所属学会など

  • 日本循環器学会 認定循環器専門医
  • 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
  • 米国心臓協会(AHA)、ヨーロッパ心臓学会(ESC)、日本心血管協会 (JCVA)
  • 京都大学医学博士

研究室メンバー

研究員 鵜木 崇 (済生会熊本病院)
研究員 高木 大輔 (枚方公済病院)
流動研究員 中山 匠
研究補助員 日田野 知子
研究補助員 前田 優香
研究補助員 田中 慎太郎
研究補助員 澤井 英司
研究補助員 岸本 凌太朗
研究補助員 八木 克貴
研究補助員 佐野 友紀
研究補助員 飯田 夕子
研究補助員 和田 明美

研究の内容について

簡便な血液検査により心臓病や死亡の危険性を予測すること

我々の研究テーマは、患者さんの負担の少ない、簡便かつ安価な血液検査で、将来の「心臓病になる危険性」や「死亡する危険性」を正確に予測する方法を開発することです。これにより、心臓病や死亡の危険性の高い方を特定できるようになれば、早期からの予防や治療開始が可能になり、健康長寿社会の実現に役立ちます。

国立病院機構は日本最大の病院グループであり、多施設共同研究を行っています

国立病院機構(NHO: National Hospital Organization)は日本最大141施設の病院グループであり、様々な分野で多施設共同研究(ネットワーク共同研究)を行っています。京都医療センターは、循環器領域のグループリーダー施設であり、NHO循環器ネットワーク共同研究を強力に推進しています。我々の研究室は、下記の3つのNHO循環器ネットワーク共同研究に深く関わっています。

心血管イベントを規定するバイオマーカー開発-血管新生関連因子と新規酸化LDL-(ANOX研究)

研究代表者 和田 啓道
心臓カテーテル検査を受けられた冠動脈疾患(疑)患者を対象とした全国規模の多施設共同前向きコホート研究です。NHO循環器グループ15施設で登録した2,418名を最大6年間追跡して登録時の血液バイオマーカーと心筋梗塞、脳卒中、死亡のイベント発症との関連を検討しています。また、登録時に糖尿病を発症していない1,332名については糖尿病発症と登録時バイオマーカーの関連も検討する予定です。

簡便な新規心血管イベント予知マーカーによる効率的なハイリスク患者抽出方法の確立(EXCEED-J研究)

研究代表者 和田 啓道
ANOX研究と同じく、心臓カテーテル検査を受けられた冠動脈疾患(疑)患者を対象とした全国規模の多施設共同前向きコホート研究ですが、ANOX研究では動脈血を採取したのに対して、EXCEED-J研究では一般外来診療と同じ静脈血を用いています。また、EXCEED-J研究では慢性腎臓病 (CKD) 患者の尿中アルブミン・クレアチニン比を測定しています。国立病院機構17施設で登録した3,255名(その内、CKD患者は1301名)を最大6年間追跡して登録時の血液・尿バイオマーカーと心筋梗塞、脳卒中、死亡のイベント発症との関連を検討します。また、腎イベントの発症とバイオマーカーの関連についても検討する予定です。

慢性心不全患者の新しい再入院リスク評価法の確立―新規バイオマーカーと心不全再入院イベントの関連― (PREHOSP-CHF Study)

研究代表者 井口 守丈 (当院心臓リハビリテーション科)
急性心不全で入院した患者の内、生存退院した慢性心不全患者を対象とした、全国規模の多施設共同前向きコホート研究です。当研究室は事務局とデータセンターの役割を担い、研究代表者をサポートしています。国立病院機構21施設で登録した1,026名を最大5年間追跡して登録時の血液バイオマーカーと再入院・死亡のイベント発症との関連を検討します。慢性心不全患者の再入院・予後を予知する既知・未知の因子を検討し、再入院抑制のための新たなリスク評価法を確立することを目的としています。

→先端医療技術開発研究室 (心血管リスクとバイオマーカー研究グループ)