京都医療センター

内分泌・代謝内科

副腎の病気について

褐色細胞腫とは

副腎髄質、傍神経節細胞に発生するカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリンなど)が過剰に分泌され、これが原因で神経が興奮し、血圧が上昇する病気です。 めまいや胸痛、動悸がして、放置しておくと糖尿病、不整脈などの合併症も引き起こします。 早期に発見することで高血圧や合併症を治せます。

褐色細胞腫とは

●症状は

頭痛、めまい、動悸、胸痛、高血圧、糖尿病、やせ など

●診断は

血液、尿のホルモンを測定します

褐色細胞腫とは

●精密検査は

副腎CT、MRI、核医学検査(MIBGシンチ)等

●治療は

原則として内視鏡手術で一側副腎を摘出

クッシング症候群

クッシング症候群とは

副腎皮質にできる腫瘍からコルチゾールが過剰に分泌され、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などをきたす病気です。
手術により治癒可能です。(下垂体腫瘍が原因の場合はクッシング病と呼びます)

●コルチゾールとは

糖、脂肪、蛋白、電解質の代謝、血圧の調節に関わる重要なホルモンで、人間が生きていくのに不可欠です

クッシング症候群とは

●症状は
  • 高血圧、糖尿病、高脂血症、骨粗鬆症、骨折、心不全など
  • 手足が細く躯幹部が太い、赤く丸い顔、項から肩に脂肪沈着、皮膚が薄くなる、腹部皮下組織が裂けて赤く見える、筋力低下など
●診断は

先ず血液のホルモンを測定します

クッシング症候群とは

●精密検査は

内分泌負荷試験、副腎CT、下垂体MRIなど

●治療は

原則として内視鏡手術で一側副腎を摘出します。
手術できない場合はコルチゾールの合成、作用を阻害する薬剤を用います。

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症とは

副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌され、高血圧をきたす病気です。高血圧の100人に3人くらいの方が発症します。
大部分は良性の腺腫が原因です。
遺伝的体質や生活習慣が原因の高血圧とは違います。
治る可能性のある高血圧です。

●アルドステロンとは

腎臓に働いてナトリウムを吸収、カリウムを排泄するホルモンで高血圧をきたします。

原発性アルドステロン症とは

●症状は

高血圧以外に目立った症状がないことも多い。
血液のカリウム濃度が低下すると四肢のしびれ、筋力の低下などがあります。

●診断は

血液のホルモンを測定します

原発性アルドステロン症とは

●精密検査は

内分泌負荷試験、副腎CT、副腎静脈サンプリングなどを行います。

●治療は

原則として内視鏡手術で一側副腎を摘出します。
血圧治療はアルドステロンの作用を阻害する薬剤を中心に用います。