京都医療センター

呼吸器内科

気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

気管支喘息

現在は吸入ステロイド治療が普及し、ほとんどの患者さんは外来治療が可能ですが、感染などを契機に増悪した場合は入院治療が必要になる場合があります。私たちは喘息死ゼロを目指して、患者さんの教育や吸入ステロイド治療の普及に力を入れています。また難治性喘息に対しては抗体製剤(オマリズマブ、メポリズマブ) があり積極的に導入しております。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

肺気腫、慢性気管支炎を一つにまとめた病名で、一番の原因は喫煙です。喫煙により肺の構造が破壊され呼吸機能が低下する疾患で、2015年には日本人の死因順位の10位でしたが、今後さらに上位に上がると予想されています。長い間、有効な治療がなくあまり関心が持たれていませんでしたが、現在では治癒は望めないものの有効な治療法・管理法がいくつも出現し、きちんと診断し、適切な治療を受けることで生存期間や生活の質の改善がはかれるようになってきました。治療の上で一番重要なのは禁煙です。薬物治療としては気管支拡張剤やステロイドの吸入治療が主を占めます。それ以外に、呼吸リハビリテーション、インフルエンザや肺炎のワクチン接種、栄養指導、呼吸不全に至っている患者さんに対しては在宅の酸素療法、在宅人工呼吸療法などがあります。また、慢性閉塞性肺疾患は各種の癌、循環器疾患、脳血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病など他の疾患との併存がおおく、全身管理が必要です。
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の患者さんは終生に渡って治療・管理を続ける必要が多くの場合あります。そのため、診療を受けることによる負担を減らしていくことも重要です。当院は総合病院であり、呼吸器リハビリテーション・栄養指導・悪化時の救急対応などが可能です。当科では地域の医療機関と連携して入院診療や専門性の高い検査・治療を当院で行い、安定期には地域医療機関で医療を受けてもらえるように努めています。