専門研修
当科の後期研修の特徴
- 腎炎・ネフローゼについて学べます。
- 腎生検数は京都府内でも有数です。また早ければ検査当日に蛍光抗体、翌日に光顕所見が得られるため、迅速に診断して治療につなげることができます。また院内カンファレンス、京都大学・北野病院との合同カンファレンスなどで所見を詳細に検討しており、「病理所見を読めるようになりたい」と思っている人に適しています。
- CKDについて学べます。
- 当院糖尿病センターは長い歴史を持っており、患者数も多いです。そのため糖尿病性腎症の患者さんも多く、症例も豊富です。保存期腎不全の時期は血圧、貧血、電解質の管理など専門的な知識が求められます。多くの症例を経験することにより、知識がつけられます。
- 急性・慢性血液浄化について学べます。
- 保存期腎不全の透析導入の件数は、京都府内でもトップクラスです。また当院は急性期病院のため、透析患者が当院にて検査や手術をうける場合、入院中の維持透析の管理は腎臓内科で行っています。急性血液浄化も腎臓内科で行っており、血漿交換など透析以外の血液浄化療法も積極的に行っています。また腎臓内科入院中の患者が重症化してICU管理が必要になった場合でも引き続き腎臓内科で担当しており、重症患者管理を経験できます。また 2015年からは透析サポートチーム(DST)を立ち上げました。これは当初他科の急性血液浄化療法をサポートすることが目的でしたが、現在ではICU及びHCU入室全患者のカルテラウンド・抽出患者の回診を通じてAKIや電解質異常などへの早期介入を行っています。腹膜透析は常時 30 名程度の患者数があり、外来及び入院管理を学べます。通院血液透析は行っていませんが、希望により近隣の施設で研修することもできます。
- 希望を最大限取り入れます。
- 研修期間は3年間です。腎臓内科医は幅広い知識が必要ですので、新しい専門医研修制度が始まる前から内科系を中心にできるだけ多くの科をローテーションすることを勧めてきました。今後もそのスタンスを維持していきますので、「腎臓内科もやりたいけど、他の科とも迷っている」「将来は一般内科をやりたい」などの希望を持っている人にも適しています。
- 考える腎臓内科医を育てます。
- 腎臓内科は手術や手技で病気を治す診療科ではありません。その代わり考えることが重要です。「なぜそうなったのか」「なぜそうするのか」をじっくり考え、根拠を持って診断や治療に臨むよう指導しています。毎週の症例カンファレンスはもちろんですが、研修医が受け持った症例を元にクリニカルカンファレンス形式で行う後期研修医勉強会などを通して、知識の定着を図っています。また後期研修医自身も初期研修医を教えることにより、さらに考えることを学んでいます。その結果か、年度末に初期研修医対象に行われる「お世話になった診療科アンケート」では上位の常連です。
研修卒業生の感想
2006年卒 K君
私は2年間京大病院で初期研修を行った後、医師3年目で後期研修医として京都医療センターで研修させていただくこととなりました。腎臓内科では急性腎不全や慢性腎不全症例、腎生検症例など腎臓内科医として必須の症例を幅広く経験することができました。また、いろいろな経験を積みたかったため、総合内科や救急科もローテートさせていただき、それも大変いい経験になりました。指導医の先生方も丁寧に指導してくださり、とても充実した研修生活を過ごせました。
2006年卒 Oさん
私は3年間、腎臓内科で後期研修をしました。腎臓内科の先生方はみな、とても熱心にかつ丁寧に指導してくれました。カンファレンスや勉強会もたくさんあって耳学問も充実していましたし、論文抄読会での担当や学会・研究会等での発表をさせていただくことで、能動的に知識を得ることもできました。また、希望すれば他科を研修することも可能で、私も救命科、総合内科、糖尿病内科、内分泌内科をまわることができました。急性期を積極的に診ることも慢性期をじっくり診療することも可能で、充実した後期研修を送ることができました。
2007年卒 K君
京都医療センター腎臓内科の後期研修では腎疾患を中心に、心不全、感染症などを含め、腎機能障害に伴う疾患を広く経験できました。やはり急性腎不全、呼吸不全など重症患者さんの印象が強いですが、糖尿病などの慢性腎不全患者さんと長く付き合えたのも良い経験でした。急性腎不全、慢性腎疾患共にバランスよく勉強できたと思います。
京都医療センター腎臓内科には得意分野に一家言持つ指導医が揃っています。それら指導者の下で、診療上の疑問について思考を深め学会報告、論文発表することが出来ました。指導医の熱意がなければ不可能であり、とても感謝しております。診療、教育、学会活動いずれの点でも満足いく後期研修が出来ました。診療、学会活動など腎疾患を幅広く学びたい方は一度お問い合わせ頂ければ、その魅力が伝わるはずです。
2009年卒 Mさん
3年目から5年目まで後期研修をさせて頂きました。3年間で急性腎不全患者さんの集中治療から慢性腎不全患者さんの管理、透析患者さんの管理と幅広い経験をできたと思います。研修の特徴としては、腎疾患だけでなく合併している他の内科的疾患の勉強もできること、腎臓内科だけではなく他科もローテートできるため内科全般の勉強ができること、カンファレンスでも相談しやすい雰囲気で指導医が教育的であること、病院によっては腎臓内科医がICU管理をすることは少ないかもしれませんが自科管理で診療することなどです。研究会や学会などで発表する機会もありますし、論文報告の機会もありました。また、維持透析はしていませんが、他科で入院してくる透析患者さんを担当することでそれぞれの病態や患者さんに合わせた管理も勉強できました。急性期、慢性期(腎教育~透析導入まで)、腎生検など多岐にわたってバランスのよい研修でした。3年間では吸収しきれないぐらい様々な経験をさせて頂いたと思います。
2011年卒 Kさん
京都医療センターで2年間の初期研修中に腎臓内科の先生方に魅了され、腎臓内科へ進みました。研修の特徴はすでに他の先生方が述べておられるので、女性目線で特徴を記載します。腎臓内科を志望する女性の方で、出産や育児を考えておられる方も多いと思います。育児との両立がネックで復帰を躊躇される方があるかもしれませんが、当科では働きながら子育てできる環境が整っています。私は5年目に育休から復帰しましたが、腎臓内科スタッフやコメディカルの方々のおかげで、復帰後も充実した研修が続けられました。時間的制約はありましたが、病棟管理・外来・発表と質の高い様々な経験をさせて頂きました。また院内保育や病児保育にも恵まれていますので、子育てしつつ腎臓内科のキャリアを積みたい方は是非検討してみてください。
2012年卒 T君
研修医からそのまま京都医療センター腎臓内科に残りました。3年間で全般的な腎疾患の診断治療が学べました。腎臓病患者は全身状態不良であったり、高齢であったりすることが多いため、病態的にあるいは社会的に困難な患者さんを診る機会も多いです。そのような患者さん一人一人と向き合う経験が内科医としての数値化できない経験となりました。指導医の先生や病棟、透析室スタッフの方々も非常に親しみやすく、仕事がしやすい環境です。院内勉強会や学会発表を行う機会も多く、多方面からレジデントの成長を応援してくれる職場だと思います。
2013年卒 Kさん
私は後期研修3年間を京都医療センターの腎臓内科でお世話になりました。CKD教育入院や腎生検・腎病理についてじっくり勉強できるのはもちろんですが、ICU患者さんを腎臓内科主科で管理することもあり、急性期の管理や急性腎不全についても積極的に勉強できることが特色だと思います。腎臓内科の先生方は本当に教育熱心で研修医思いの先生ばかりで、他科の若手医師から羨ましいという声が聞こえてくることもありました。新しい病院で腎臓内科の専門に進んで右も左も分からない状況から何とか3年間やってこられたのは、いつも丁寧に指導していただいた上司・先輩方のおかげです。学会発表やcasereportの執筆も御指導いただいて、本当に充実した3年間でした。
また私は後期研修3年目の最後2か月間に産休をいただいたのですが、妊娠中から上司をはじめ同期・後輩からも温かい心遣いをいただき、産休に入るまで働き続けることができました。腎臓内科の医師だけではなく、病棟・透析室のスタッフも含めてこのような温かい雰囲気の職場で充実した後期研修生活を送れて感謝しています。後期研修先を考えておられる先生方に、自信を持ってお勧めできます。まずはぜひ見学にいらして下さい。
2013年卒 S君
当院で初期研修を修了し、そのまま腎臓内科を専攻しました。後期研修医の教育にかなり力をいれてくださっており、常に勉強させてもらえる環境にあります。バランス良く症例をあててもらえましたし、何かわからないことがあれば科長を含めた上級医に気軽に相談できるというのが、他の病院にはあまりない点かと思います。また、やりたいことを尊重し伸ばしてくれます。私個人としては、シャント手術やPTAをやりたいと思っておりましたが、後期研修中に半年間も国内留学をさせて頂きました。このような恵まれた環境で研修を行える施設は数少ないと思います。
2014年卒 H君
私は初期研修 2 年間を京都医療センターで修了したあと、そのまま腎臓内科を専攻しました。当院では CKD 管理、血液透析管理、腹膜透析、腎生検、急性腎不全、急性血液浄化、多発性嚢胞腎など幅広く研修することができました。私は後期研修 3 年目は京大関連の別の病院で研修しましたが、当院の研修は他院で役立つことが詰まっていました。当院で研修できない内容でも留学という形で経験できるのも大きな特徴と思います。後期研修医からの意見も積極的に取り入れてもらえ、より良い研修ができるように科内で考えて頂けているのが本当に魅力的だと思います。後期研修をお考えの際は、是非とも見学にお越しください。
2014年卒 T君
私は京都医療センターでの初期研修を経て、腎臓内科にて後期研修をさせていただきました。3年目は総合内科や呼吸器内科など他科での研修を通じて、初期研修の頃よりも深みをもって内科医として幅広い経験を積むことができました。4年目以降は腎臓内科にて、CKD教育入院や腎生検症例、急性腎不全や心不全など、急性期から慢性期にかけて様々な症例を担当させていただきました。毎週のカンファレンスを通じてじっくりと検討するため、ひとつの症例から多くを学ぶことができます。また、指導医の先生方は皆優しく教育熱心で、困ったときには相談しやすく、とても恵まれた環境だと感じます。バランスよく学ばせていただき、充実した後期研修を送ることができ大変感謝しています。
2015年卒 Uさん
後期研修の3年間はとても充実していました。
慢性腎臓病の外来管理からICU患者の急性腎障害まで幅広く勉強させて頂きました。腎生検や教育入院も多く、また腎代替療法に関しては血液透析の導入や他科入院中の血液透析患者の管理をさせていただきました。さらに腹膜透析を勉強できるところも魅力の一つだと思います。上級医のサポートは手厚く、困っているときには必ず誰かが助けてくれますし、反対に自分でできることは任せてもらえました。また人として尊敬できる上級医が多く、医学的な面だけでなく他科の先生、透析室や病棟のスタッフ、患者さんとのコミュニケーションなどから学ぶこともたくさんありました。
院内のスタッフは皆さん親切ですし、当院は他科の後期研修医も多いですので、楽しく有意義な研修ができると思います。
2020年卒 KT君
私は1年半を京都医療センターで後期研修として過ごした後に大学病院に異動しました。その視点でもう一度後期研修をするとすれば、医療センターを研修病院に選ぶと思います。まず、自分は腎病理に興味があり腎臓内科を専門科に選択しましたが、医療センターは年間50件近く腎生検を行っており自分にとっては過不足ないくらいの症例数だったと思い非常に満足しています。また自分はAKIや緊急透析を要する症例について非常に苦手意識がありましたが、病院自体が三次救急病院で救急車搬送台数も年間5000代近くあるような病院であり、そういった緊急疾患を診る機会に恵まれました。またADPKDは逆に多いくらいで、大学病院と比べても経験する疾患については遜色ないと思います。
他科の医師や他職種のスタッフとの距離が近いことも魅力の一つだと思います。併診頂いている患者さんに対してface to faceで話をする機会も多く、他科の先生や同僚の専攻医からも疾患について教えていただくことも多々ありました。また特にMEさんからは血液透析やアフェレシスについて質問し勉強させて頂くこともありました。もちろん市中病院ではこういったことは良くあることかと思いますが、医療センターは専攻医だけの医局室があるなどそういった性格が強い病院だと感じています。