京都医療センター

腎臓内科

腎臓内科について

  1. 私達はいつも患者さんの立場に立って、患者さんの利益を第一に考えます。
    出来るだけ早く腎臓の病気を見つけ、的確な診断をし、常に最新の先進医療の情報と技術をもとに、適切な治療をします。
  2. 「腎」は「人」、「仁」に通じる。昼夜を問わず、患者さんの急変に対応します

診療科紹介動画

特色・取り組み

腎臓病のもとになる糖尿病や高血圧を中心に、その予防、診断、治療、合併症、合併疾患の診療を行っています。
かつては「腎臓病は治らない」と考えられていましたが、早期に発見し治療すれば、治癒させることも不可能ではなくなってきています。
腎炎やネフローゼ 症候群の診断のために必要な腎生検も積極的に施行しており、 早ければ翌日には診断がつく体制を取っています。

末期腎不全における透析療法の導入・管理を行っています。 血液透析及び腹膜透析のどちらにも対応しており、血液透析の導入症例数は京都市内では最も多い病院の一つです。
血液透析の場合導入後の通院透析は近隣の施設に依頼していますが、腹膜透析の場合は当院で引き続き通院透析を施行しています。
血液浄化療法については透析療法以外にも急速進行性腎炎などに対しての血漿交換療法、神経疾患などに対しての血漿吸着療法、多臓器不全などに対しての持続血液ろ過透析なども適宜施行しています。

当院は国の政策医療腎疾患の専門病院のひとつに指定されており、全国の国立病院機構の病院と連携して先進の高度医療を実践しています。
さらに京都大学などの大学病院や他の基幹病院と協力して高度先進医療を目指しています。
学会発表や論文執筆にも積極的に取り組んでいます。また国立病院機構の基幹病院 として、臨床研究を多数行っています。
初期及び後期研修医の教育、京都大学の学生臨床実習、全国の大学や病院からの見学・実習を受け入れ、将来の腎臓専門医の育成にも貢献しています。

近年、CKD (慢性腎臓病)という概念が提唱されるようになりました。
これが注目されるようになったのは、一つには透析患者数の増加ですが、それ以外にもCKDは心血管疾患の危険因子になることが分かってきたからです。
CKDを撲滅するためには非専門医と専門医の連携が強調されています。
当院では病診連携のモデルケースとなるべく伏見医師会と共同で「伏見CKD医療連携の会」を立ち上げ、伏見CKD連携パスを稼働させました。
現在多くの患者さんが連携パスを用いた2人主治医制で診療しています (伏見医師会ホームページをご参照下さい)。
またCKD管理に問題点がある患者さんをかかりつけ医から紹介いただいた際、1週間のCKD教育入院をお勧めしています。(プログラムは「診療科からのお知らせ」をご覧ください)。
食事療法一つとっても実際に腎臓食を体験することにより効果を実感していただけるようで、「入院して良かった」と言う患者さんが多いです。
また入院後は腎機能の低下速度が遅くなるケースを度々経験しています。CKDはメタボリックシンドロームを始めとする生活習慣病との関連が深いですが、当院には腎臓病・透析医療の専門医及び高血圧・糖尿病の専門医を兼ね備えている医師がおり、幅広い診療ができる体制となっています。
遺伝性疾患である多発性嚢胞腎の診療にも力を入れています。京都で最も早く専門外来を開設し、治療薬であるトルバプタン投与患者数は関西でも有数です。
(詳細は「診療科からのお知らせ」をご覧ください)。

上記のような取り組みにより、当院はCKDでの入院患者数が京都府下で最も多い施設となっています。

腎・尿路系(慢性腎炎症候群 慢性間質性腎炎 慢性腎不全) 平成28年度DPCデータ

診療内容

腎臓に関係するすべての病気を対象とします。
たとえば高血圧の原因は大半が「本態性高血圧症」などといって、原因がはっきりわからない高血圧と言われてきましたが、実は最近、その原因は腎臓の障害にあるといわれています。
糖尿病も経過とともに腎障害を伴い、血液浄化療法が必要になることもあります。
また最近では、話題のメタボリックシンドロームが心血管疾患の発症のみならず、腎障害のリスクになっていると報告されています。
このようにわが国に急増している疾患の病態に腎臓が関与しているので、腎障害が合併すると病態が急速に増悪することがあり、取り返しがつかなくなるまえに腎臓のことを気にかけ、いたわることが大切です。

症状からいうと

  • 一次性糸球体疾患
  • ネフローゼ症候群、IgA腎症、膜性腎症、急性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎など
  • 全身性疾患に伴う糸球体疾患
  • 糖尿病、痛風、膠原病(リウマチ、SLEなど)、紫斑病性腎炎など
  • 血管疾患に伴う腎臓の病気
  • 高血圧に伴う腎機能障害、腎血管性高血圧、強皮症、血管炎など
  • 尿細管の病気
  • 尿細管間質性腎炎、尿細管性アシドーシス、Bartter症候群、Gitelman症候群、Fanconi症候群など
  • 遺伝性疾患
  • 多発性嚢胞腎、Alport症候群など
  • 感染症
  • 腎盂腎炎、膀胱炎など
  • 腎不全
  • 急性腎不全、慢性腎不全

内科的腎臓病には腎臓そのものに直接異常が生じて起こる場合と、腎臓以外の臓器の異常が腎臓に影響を与えて起こる場合があります。

●炎症や感染を原因とする(原発性)の疾患

  • 急性/慢性(糸球体)腎炎
  • 急速進行性(糸球体)腎炎
  • 尿細管間質性腎炎
  • 腎盂腎炎(急性・慢性)
  • 膀胱炎

●生活習慣病やその他の病気に起因する(続発性)の疾患

  • 糖尿病 → 糖尿病性腎症
  • 高血圧 → 腎硬化症
  • 肝臓病 → 膜性増殖性糸球体腎炎・肝性糸球体硬化症
  • 膠原病 → ループス腎炎
  • 痛風などの代謝疾患 → 痛風腎・アミロイド腎
  • 血液の病気 → 骨髄腫腎・溶血性尿毒症性症候群

専門外来
CAPD (腹膜透析)、多発性のう胞腎 (遺伝性疾患)の専門外来を設けています。


CAPD外来
火・木曜日13:00~


多発性のう胞腎外来
月曜日9:00〜 (担当: 第1・3・5週 瀬田医師)