腎臓内科

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、主に腎臓に嚢胞が多数発生する遺伝性疾患である。3000人から7000人に一人程度で発症すると考えられ、遺伝性腎疾患では最も頻度が高い。嚢胞は年齢とともに徐々に増加し、さらに大きさも大きくなるため、正常な腎組織が圧排され、やがて腎機能が悪化する。60歳までに約半数が透析や腎移植などの腎代替療法が必要となる。透析導入の原疾患としては第5位である(図1)。
これまで、降圧療法、飲水励行、蛋白制限食などが試みられてきたが、いずれも十分な治療効果は証明されていない(図2)。そういった中で、バゾプレッシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンのADPKDの進行抑制効果が、京都医療センターも参加した第Ⅲ相国際共同試験“TEMPO試験”で示された(図3~5)。TEMPO試験の結果を受けて2014年4月にトルバプタンが世界初の進行抑制の薬として承認された。現時点でほかに有効な治療法がないことから、我が国の「多発性嚢胞腎診療ガイドライン2017」で、トルバプタンの使用が推奨されている。
京都医療センター腎臓内科では、2014年10月にADPKD専門外来を開設し、2019年12月1日現在、63人のADPKD患者さんにトルバプタンを導入してきた。この導入数は日本全国で第6位、西日本で1位と、トルバプタン治療に関して国内トップクラスの経験を誇っている。さらに厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「難治性腎障害に関する研究調査」PKD-WG/PKDGL-WG合同分科会にも参加して「患者さんと家族のための多発性膿疱腎(PKD)診療ガイド」(図6)の発行、ADPKD診療ガイドライン作成にも携わっており、日本のADPKD診療を牽引している。

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