国立病院総合医学会





肥満・メタボリックシンドローム外来

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診療時間

肥満・メタボリック症候群外来の診察日
※予約制です。
・月曜日 9:30~ (担当:小鳥 真司)
・水曜日 9:30~ (担当:浅原 哲子)

診療内容

最近、日本でも食生活の欧米化や運動不足から肥満や糖尿病の人が急激に増えています。最近の報告では、日本の成人男性の約3人に1人、女性の約5人に1人は肥満であるといわれ、全体で 3000 万人以上に及びます。
肥満になると、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、耐糖能異常などの生活習慣病が重なって発症しやすく、それぞれの程度は軽くても急激に動脈硬化が進みます。そして最終的には心筋梗塞、脳卒中などの血管の病気が起こりやすくなります。
これらの恐ろしい現代病は、体重を減らすことで、多くの症状や状態を改善したり予防したりすることができます。
しかし、減量と一口にいってもなかなか難しく、また間違ったダイエット法は危険です。
当外来では、自分の今の肥満や生活習慣病の状態を知りたいというあなたを詳しく診断し、また自分ではどうにも痩せられないあなたのお手伝いをします。
医師、看護師、栄養士、検査技師の強力チームであなたの減量をサポート!!
親切かつ丁寧に(時には厳しく)指導します。

肥満について

単に体重が多いということではなく、脂肪組織が過剰に蓄積した状態をいいます。

肥満には2つのタイプがあります。「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」です。メタボリックシンドロームで問題なのは、「内臓脂肪型肥満」です。
●内臓脂肪型肥満
腸管などの内臓の周りに脂肪が溜まる肥満。お腹がぽっこり出た体型から「上半身肥満」や「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。
内臓脂肪の細胞からは、糖尿病、高脂血症、高血圧や動脈硬化のリスクを高める遊離脂肪酸や他のホルモンが多く分泌されています。このため、内臓脂肪型肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などのリスクを増大させる悪性の肥満といえ、メタボリックシンドロームの主役ともいえます。

内臓周囲の脂肪は、油っぽい食事や運動不足などで溜まりやすいといわれています。一方、内臓脂肪の細胞は皮下脂肪の細胞に比べて代謝活性が高いため、食事を節制し、積極的に運動をすることにより、比較的容易に減らすことができます。この面では内臓脂肪型肥満は、努力のしがいのある肥満といえます。

●皮下脂肪型肥満
腰まわりやお尻、太ももなどの下半身を中心に脂肪が溜まる肥満。「下半身肥満」や「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。
2.肥満の判定方法は・・・・

体内の脂肪量を正確に測定することは難しいため、健診などでは BMI が代用されています。
BMI とは、 Body   Mass   Index (体格指数)の略です。

 
 
3.メタボリックシンドロームとは

内臓脂肪の過剰な蓄積をもとにして、同じ人に糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などが複数重なって、動脈硬化や心血管障害などのリスクが高まった状態のことをいいます。
一般にメタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過剰な蓄積があることが前提となります。内臓脂肪の過剰な蓄積、糖尿病、高血圧、高脂血症のうち、肥満を含んで3つ以上該当する場合に、メタボリックシンドロームと診断されます。

―メタボリックシンドロームの診断基準 日本( 2005 年)―

①+②~④の 2 項目以上
①(腹部)肥満 ウエスト周囲径  ≧ 85cm (男性)
                 ≧ 90cm (女性)
②中性脂肪   ≧ 150mg/dl   かつ / または  HDL-C     < 40mg/dl
③収縮期血圧 ≧ 130mmHg  かつ / または 拡張期血圧 ≧ 85mmHg
④空腹時血糖 ≧ 110mg/dl
(日本8学会共同のメタボリックシンドローム診断基準検討委員会 2005.4.8 )

●厚生労働省の2009年国民健康・栄養調査では、成人のメタボリックシンドローム有病者は約1300万人と推計されました。また、有病者一歩手前の“予備軍”も約1400万人で、両者合わせると約2700万人になります。40歳を過ぎると急増し、40~74歳の男性では2人に1人、女性では5人に1人が当てはまるとされています。

4. メタボリックシンドロームになりやすい9つの生活習慣
★1 ~ 2 個の人は…ちょっと危険
週に1回体重計にのって、あなたの状況を確認しましょう!!
★3 ~ 6 個の人は…危険域に突入!
チェック項目を1つでも減らすように心がけましょう!!
★ 7 ~ 9 個の人は…おそらくメタボでしょう!
生活習慣を見直す必要ありです!!体重5%減をめざすとともに、健康診断を受けましょう!!
5. 肥満に起因する健康障害について

肥満に起因して発症する健康障害には以下の10項目が挙げられています。

1)2型糖尿病・耐糖能障害
2)脂質代謝異常(脂質異常症・高脂血症)
3)高血圧症
4)高尿酸血症・痛風
5)冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
6)脳梗塞:脳血栓・一過性脳虚血発作   
7)睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
8)脂肪肝
9)整形外科的疾患:変形性関節症・腰椎症
10)月経異常
11)肥満関連腎臓病

肥満・メタボリックシンドローム外来での検査について

メタボ外来では、あなたの肥満度・メタボリックシンドローム度や健康障害の合併の有無、さらに 動脈硬化の進みぐあい、心血管病の危険度を最新の技術でチェックします。

1. 身体組成、血圧、呼吸 身長、体重、BMI、腹囲、体脂肪率、血圧、脈拍、早朝、夜間高血圧、睡眠時無呼吸スクリーニング検査など、肥満症の合併症の有無を評価します
2. 胸部レントゲン撮影 心臓や肺の健康状態を調べます。
3. へそレベルCT検査 CTでお腹のへそレベルでの内臓脂肪面積を見ることで、内臓脂肪型肥満か皮下脂肪型肥満かを調べます。
★現在CTの他に、ベルトを巻くだけで簡単に内臓脂肪が測定できる機械も設置しています。(2012年1月頃まで)
4. 血液検査・尿検査 一般的な肝臓、腎臓、糖尿病、中性脂肪、コレステロール値、ナトリウムやカリウムや貧血、尿(糖、蛋白、潜血)などの検査を行います。さらに脂肪細胞由来の生理活性物質(レプチン、アディポネクチン、TNF-αなど)や、炎症マーカー(高感度CRP)などを測定し、より詳しい動脈硬化の検査を行います。
5. ブドウ糖負荷試験 血液検査などによって、安全が確認された方には成分として75gのブドウ糖が入った検査用ドリンクを飲んで、飲む前、30分後、1時間後、2時間後の血糖値やインスリン値を調べることによってより詳しく糖尿病や、糖尿病予備群の有無、肥満によるインスリン抵抗性の有無を調べます。
6. 動脈硬化の検査 大動脈波伝播速度(PWV)、心臓血管足首指数(CAVI)、血液流動性測定(MCFAN)を測定します。 動脈硬化の検査では、あなたの血管年齢をチェックします。減量の効果によって血管年齢は若返らせることができます!!!
7. 運動負荷心電図 坂道を登る・急ぎ足で歩くといった日常生活の中で現れる胸痛・動悸・息切れなどの症状を再現し、その時の心電図変化と血圧の変化をみて、運動中の心臓の状態を調べる検査です。安静時の心電図では分からない心臓の血流の評価が出来ます。
8. 肥満、メタボリックシンドロームの体質検査 肥満関連遺伝子の遺伝子変異(SNPs)、βアドレナリン受容体(β3AR)、PPARγ、UCP、レプチン、アディポネクチン、レジスチンなどを調べます

● 定期検査・・・以上の検査を必要に応じて定期的に行います。
 「あなたの体の変化を見逃しません!!」
血液検査・尿検査によって、合併症の改善効果や、無理な減量をしていないかを調べます。

肥満・メタボリックシンドロームの治療

以上の検査結果をもとに、あなたの体質や生活スタイルにあわせた治療法を分かりやすく指導致します。まさに今注目されている「オーダーメイド医療」です!!

●食事療法
・まず、あなたの現在の1日食事カロリーや栄養バランス、消費カロリーを算出します!
・主治医があなたに適した食事内容を処方します。
・食事内容の問題点を発見し、やさしく丁寧に説明。
・45分かけて当院エキスパートの管理栄養士の個別指導がうけられます
できることから少しずつ始めていきましょう☆

●運動療法
「簡単・楽しい・継続!!」を目標にエクササイズ!!
あなたの体質や生活習慣に沿った運動プログラムを提供します。
足腰に負担のかからない、座ってできるプログラムもあります。
新しい健康ツール・ 40 日間の運動強度・運動量が保存できる「万歩計」等を活用します。

●薬物療法
「減量で薬が減る→医療費ダウン」を目標に指導!!
糖尿病・高血圧・脂質異常症(高脂血症)などを併発している方には適したお薬を処方します。
減量することで、検査値が下がるとお薬の量も減っていく可能性があります。

● 食行動質問表
あなたの食行動の「ずれ」や「くせ」がチェックできます。

●京都医療センターのダイエットノート
これを活用した人の 8 割が減量成功しています!!
食事記録表・グラフ化体重日記も含み、体重の日内変動やライフスタイルが 自分でチェック・認識することができ減量への動機付けとリバウンド防止につながります!

楽しく仲間とやせる!京都初“メタボリックシンドローム会”について

● 2006年12月より当肥満外来や集団肥満教室の患者さんを中心にみんなで一緒に痩せよう!
というコンセプトの元に発足した、メタボリックシンドローム会(通称:メタボ会)も今年で 5周年を迎える事となりました。

● 当院の患者さんでなくても、他の病院通院中の方、ちょっとお腹のでっぱりが気になる方、
一人ではうまく痩せられず悩んでいる方、ダイエットに興味のある方、どなたでも参加して頂くことが 可能です!

●一人では「ちょっとだけなら…」「もったいないから…」と思って気がゆるんで食べてしまい、
なかなかダイエットがうまくいかない方も、みんなと一緒なら頑張れます!!
にっくき!内臓脂肪を、運動や食事でなんとか減らしていく会です。
医師、看護師、栄養士さんなどから減量のコツが聞け、実際に痩せることの出来た参加者さんから
ご自身の体験談を聞くことが出来ます!
もっと詳しく知りたい!参加してみたい!という方はこちら→ メタボリックシンドローム会について

★これまでに、肥満・メタボについてのみならず、「心臓病」「脳卒中」「うつ」「整形外科疾患」など合併症については、「大豆」「ヘルシーおせち料理」「減塩」など食事の話題、「はらすまダイエット」「スワロビクス」など運動の話題など、肥満やダイエット法について重要かつ興味ある話題を提供してまいりました。
★次会、開催日が決定! 詳しくはこちら → 第13回メタボリックシンドローム会について
★メタボリックシンドローム会は大変好評で新聞やテレビにも取り上げられました。
○新聞 :京都新聞 平成18年12月
京都新聞 平成21年  4月
○テレビ:関西テレビ「スーパーニュースアンカー」 平成18年12月25日(木)

メールマガジン配信中!!

●肥満・メタボリックシンドローム外来スタッフにより、「メタボリックシンドローム撲滅!」と題して、食事や運動、最近の減量に関する話題などを 2週間に1回、金曜日午前10時にメール配信中。
現在、第201号まで発信中!
もっと詳しく知りたい!受信してみたい!という方はこちら → メタボ通信について
下記のURLからご登録願います☆
http://www.mag2.com/m/M0063340.html
または下記のミニまぐサイトに入り、「メタボ」もしくは「メタボリックシンドローム撲滅」でマガジン検索してください。 http://www.mag2.com/

皆さん、一緒に楽しく無理のない減量・治療をしていきましょう!!

スマートランチについて

当院2Fにあるレストラン『ROYAL OASIS』では、毎週水曜日に660円のメタボランチを提供しています。
「低カロリー(500kcal以下)、低塩分、多食物繊維」をコンセプトに現在、第17弾を好評提供中!
もっと詳しく知りたい!家でも作ってみたい!という方はこちら → スマートランチについて

メタボリックシンドローム外来・メタボリックシンドローム会の報道・記事

●今までに雑誌やTV等のメディアに取り上げられた内容。
 ■2011年
 ・ 4月 「サンデードクター」読売TV「あなたの知らないメタボリックの真実」
 ・ 2月 「ガイアの夜明け」テレビ東京・日経スペシャル「ニッポンの食卓(1)~一日の計は朝食にあり~」
 ■2010年
 ・ 3月 「Voice」毎日放送「メタボリック症候群の腹囲などの基準について」 
 ■2009年
 ・ 4月 京都新聞「メタボ仲間の会 盛況」 
 ・ 3月 朝日ファミリー関西版「減量に王道ナシ!」
 ■2008年
 ・ 3月 「News ANCHOR」関西TV「もうすぐ義務化 メタボ健診」 
 ・ 1月 「News Scramble」読売TV「続々登場!メタボ撃退メニュー」 
 ■2007年
 ・11月 京都新聞「メタボ対策メニュー提案」
 ・ 9月 京都新聞「肥満やメタボ、食管理で改善」
 ・ 7月 「News ANCHOR」関西TV「“メタボリック”成果は?」 
 ■2006年
  ・12月  京都新聞「減量達成へ仲間と切磋琢磨 伏見 京のメタボ患者が会結成」
  ・12月 「News ANCHOR」 関西TV「『メタボの会』結成!」

肥満・メタボリックシンドロームに関する出版物

■2009年6月発刊:「~チームで撲滅!メタボリックシンドローム~」
(監修:島津章、編集:佐藤哲子、出版:診断と治療社) ●体重グラフなど収載したCD付き●
肥満の分類や肥満によって起こる合併症、肥満やメタボに関する検査などをわかりやすく記載しています。

     

臨床研究について

●国立病院機構ネットワーク研究を展開。
■平成16年度~
肥満症多施設共同研究:Japan Obesity and Metabolic Syndrome Study (JOMS) (UMINStudyID: UMIN 000000559). 「我が国のメタボリックシンドロームにおける減量効果に関する多施設共同研究」
(下記英文論文、学会に報告)
■平成22年度~国立病院機構ネットワーク共同臨床研究
「糖尿病・肥満における心腎連関進展因子としての脂質炎症関連分子の意義とその効果的治療法の検討」

●論文著書・各種学会発表

 
  1. Kotani K, Satoh-Asahara N, Kato Y, Araki R, Himeno A, Yamakage H, Koyama K, Tanabe T, Oishi M, Okajima T, Shimatsu A, The Japan Obesity Metabolic Syndrome Study (JOMS) Group. Remnantt-like particle cholesterol and serum amyloid A-low-density lipoprotein levels in obese subjects with metabolic syndrome. J Clin Lipidol 5:395-400, 2011.
  2.  
  3. Kotani K, Satoh-Asahara N, Kato Y, Araki R, Himeno A, Yamakage H, Koyama K, Tanabe T, Oishi M, Okajima T, Shimatsu A, The Japan Obesity Metabolic Syndrome Study (JOMS) Group. Serum Amyloid A Low-density Lipoprotein Levels and Smoking Status in Obese Japanese Patients. J Int Med Res 39: 1917-1922, 2011.
  4. Satoh-Asahara N, Sugamami T, Majima T, Kotani K, Kato Y, Araki R, Koyama K, Okajima T, Tanabe M, Oishi M, Himeno A, Kono S, Sugawara A, Masakazu H, Ogawa Y, and Shimatsu A, The Japan Obesity Metabolic Syndrome Study (JOMS) Group. Urinary Cystatin C as a Potential Risk Marker for Cardiovascular Disease and Chronic Kidney Disease in Patients with Obesity and Metabolic Syndrome. Clin J Am Soc Nephrol 6:265-273, 2011.
  5. Kotani K, Satoh N, Kato Y, Araki R, Koyama K, Okajima T, Tanabe M, Oishi M, Yamakage H, Yamada K, Hattori M, Shimatsu A. A novel oxidized low-density lipoprotein marker, serum amyloid A-LDL, is associated with obesity and the metabolic syndrome. Atherosclerosis 204:526-531, 2009
  6. Satoh N, Shimatsu A, Kato Y, Araki R, Koyama K, Okajima T, Tanabe M, Oishi M, Kotani K, and Ogawa Y, For The Japan Obesity and Metabolic Syndrome Study (JOMS) Group Evaluation of cardio-ankle vascular index, a new indicator of arterial stiffness independent of blood pressure, in obesity and metabolic syndrome. Hypertens Res 31:1921-1930, 2008

etc

他英文論文、和文論文、学会発表多数あり。 詳しくはこちら → 臨床研究センター 糖尿病研究部