京都医療センター

放射線診断科

被ばくについて

出典:日本核医学会・日本核医学技術学会・日本アイソトープ協会『核医学検査Q&A なぜ核医学検査を受けるの?』

人体への放射線の影響は『組織反応』と『確率的影響』があります。
組織反応にはしきい線量が存在します。白内障(約500mSv)や皮膚熱傷(約5000mSv)など、定められたしきい線量を超えると症状が現れます。(※Sv:シーベルト:放射線が生物に及ぼす効果の計量単位)


出典:日本原子力文化財団『原子力・エネルギー画面集』

確率的影響はしきい線量がなく、受ける線量が多くなるほど、がんや白血病に罹るリスクが高くなります。100~200mSvの放射線を受けた場合で1.08倍高くなります。
対して生活習慣によるがんのリスクは、運動不足で1.15倍、喫煙・飲酒で1.60倍高くなります。がんや白血病に罹るリスクは、一定線量以下では他の影響が大きいとされています。

当院のCT検査で成人に対する線量は、胸部から骨盤部の範囲を撮影した場合で約10mSv、頭部の撮影は約3mSvになります。小児(5~10歳)に対する線量は、腹部の範囲を撮影した場合で約4mSv、頭部の撮影は約2mSvになります。個人や依頼目的によって差はありますが、国際防護委員会(ICRP)が推奨している診断参考レベル(DRL)の放射線量を超えた不要な被ばくがないように、画質と線量を選定しています。

部位 当院
[mSv]
診断参考レベル:DRL
(実効線量換算)[mSv]
成人 頭部 2.7 2.8
胸部 4.2 7.1
胸部ー骨盤 7.5 18
小児
(5-10y)
頭部 1.9 3.4
胸部 2 3.2
腹部 4.3 5.3