薬剤部
専門・認定薬剤師の育成
近年の医療の高度化、多様化は、薬剤師の職能にも大きな変化をもたらし、いわゆる医薬品の調製を中心とした調剤業務に加えて、病棟、手術室、ICUなどを中心に医療チームの一員として活動する薬剤師も多くなってきております。さらに、新しい作用機序を持つ医薬品の登場や医薬品にかかわる医療事故の増加などから、治療効果だけではなく医療や患者の安全対策の面からも薬剤師の重要性が増してきています。
こうしたなかで、最近の医療は疾病ごとに細分化され、使用される医薬品は疾病ごとに特徴を持ち、きめ細かな投与設計を必要とするものが多く、専門的な知識・技能が求められるようになっており、わが国においても、「がん」「感染症」「精神疾患」などの領域では専門性の高い薬剤師、いわゆる専門薬剤師の育成・認定がスタートしています。チーム医療の利点は専門職が分担・連携・相互支援することにあるわけですが、専門薬剤師には、医師の不足の現状に対して医師の負担を分散し、軽減化する効果も期待されています。
当院では専門・認定薬剤師の育成に積極的に取り組んでいます。
主な認定・資格者(2024年7月現在)
日本医療薬学会認定薬剤師(日本医療薬学会) | 1名 |
日本医療薬学会認定指導薬剤師(日本医療薬学会) | 1名 |
外来がん治療専門薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会) | 4名 |
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会) | 6名 |
NST専門療法士(日本臨床栄養代謝学会) | 1名 |
抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会) | 4名 |
救急認定薬剤師(日本臨床救命医学会) | 1名 |
日本DMAT隊員 | 1名 |
心不全療養指導士(日本循環器学会) | 3名 |
小児薬物療法認定薬剤師(日本小児臨床薬理学会) | 1名 |
スポーツファーマシスト(日本アンチ・ドーピング機構) | 3名 |
日病薬病院薬学認定薬剤師(日本病院薬剤師会) | 5名 |
認定実務実習指導薬剤師(薬学教育協議会) | 7名 |
研修認定薬剤師(日本薬剤師研修センター) | 2名 |
近畿国立病院生涯教育センター認定薬剤師(CPC認証) | 19名 |
認定施設
医療薬学専門薬剤師研修施設(基幹施設) | (日本医療薬学会) |
がん薬物療法認定薬剤師研修施設 | (日本病院薬剤師会) |
がん専門薬剤師研修施設 | (日本医療薬学会) |
がん診療病院連携研修病院 | (日本臨床腫瘍薬学会) |
薬学生実務実習受入施設 | (薬学教育協議会) |
チーム医療の推進
チーム医療を実践することで、関連職種の専門家たちが医師と平面的な立場に立ち、的確な役割分担とスムースな連携で主体的に患者さんにかかわることで、その専門性をより発揮することができ、医療の質を高め安全を確保することができます。また、専門家たちがチームワークを築いて、患者さんの多様なニーズに応えることで、患者さんの満足度が高まり、患者さんにとってよりよい医療を実現することにもつながります。
実績
年度 | 演者(全員) | タイトル | 学会名 |
---|---|---|---|
2023年度 | 小原 直紘、山下 大輔、関本 裕美、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 後発医薬品使用体制加算1取得に向けた当院の取り組みと経済的効果の検証 | 第17回学術大会 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 |
2023年度 | 大野 茜、杉野 太亮、 小原 直紘、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | プレアボイド報告の内容分析とその評価~薬物治療効果の向上から処方支援へ~ | 第77回国立病院総合医学会 |
2023年度 | 小森 幸果、 小原 直紘、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 患者支援センターの介入率増加から見えてきた新たな課題 | 第77回国立病院総合医学会 |
2023年度 | 小原 直紘、関本 裕美、本田 芳久、土井 敏行 | ベバシズマブの先行バイオ医薬品とバイオ後続品の治療学的安全性の比較 | 第33回日本医療薬学会年会 |
2023年度 | 八瀬 恵理子、林 洋太郎、上柳 汐果、中嶋 尚子、森本 健幹、荒木 博賢、今北 卓間、小田 亮介、丸山 直岳、森吉 弘毅、奥野 博、三尾 直士、土井 敏行 | Ipilimumab/Nivolumab併用免疫療法中に出血性膀胱炎を生じた肺腺癌の一症例 | 第33回日本医療薬学会年会 |
2023年度 | 稲田 顕慶、杉野 太亮、森本 健幹、 小原 直紘、小田亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 当院薬剤部でのタブレット端末を用いた医薬品情報(DI)管理業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 | 第33回日本医療薬学会年会 |
2023年度 | 保井 健太、稲田 顕慶、山階 規子、塚原 優太、小田 亮介 | メロペネム(MEPM)とセファゾリン(CEZ)の出荷調整における当院の対策 | 第71回日本化学療法学会西日本支部総会 第93回日本感染症学会西日本地方会学術集会 |
2023年度 | 稲田 顕慶、保井 健太、山階 規子 | 当院におけるフィードバックシート(FS)を用いた抗菌薬適正使用支援(AS)の構築と運用後の評価 | 第71回日本化学療法学会西日本支部総会 第93回日本感染症学会西日本地方会学術集会 |
2023年度 | 上柳 汐果、森本 健幹、林 洋太郎、稲田 顕慶、八瀬 恵理子、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | プレドニゾロンによるirAE腎障害の治療中に浮腫の増悪がみられたため、メチルプレドニゾロンに変更し治療が継続できた一症例 | 日本臨床腫瘍薬学会 学術大会2024(第13回) |
2023年度 | 稲田 顕慶 | 当院薬剤部でのタブレット端末を用いた医薬品情報(DI)管理業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 | 2024年度 近畿国立病院薬剤師会学術大会 |
2023年度 | 中澤 誉、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行、遠藤 真理、花村 一葉、井下 三惠、上南 雪野、関本 裕美、芝田 信人 | 薬学実務実習生における多職種連携教育(IPE: interprofessional education)参加後の意識調査について | 日本薬学会第144年会 |
2023年度 | 森本 健幹、杉野 太亮、稲田 顕慶、 小原 直紘、土井 敏行 | ペムブロリズマブ・レンバチニブ化学療法におけるレンバチニブの投与量に対する体重の影響に関する検討 | 日本薬学会第144年会 |
2022年度 | 小原 直紘 | プレアボイド報告増加に向けた薬剤部の取り組みによる医薬品適正使用の推進 | 第24回日本医療マネジメント学会 |
2022年度 | 林 洋太郎、塚原 優太、中内 崇夫、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 患者支援センターにおける薬剤師介入の現状報告 | 2022年度 近畿国立病院薬剤師会学術大会 |
2022年度 | 上柳 汐里、池上 洋平、小原 直紘、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 当院における妊娠後期の新型コロナウイルス感染患者へのソトロビマブ投与による安全性調査 | 第32回日本医療薬学会年会 |
2022年度 | 小原 直紘、土井 敏行、白神 幸太郎 | 医薬品管理から始まるタスク・シフティングへの期待 | 第76回国立病院総合医学会 |
2022年度 | 塚原 優太、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 当院における持参薬関連業務での取り組み | 第76回国立病院総合医学会 |
2022年度 | 佐々木 陽子、田中 亮、松田 璃沙、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 外来がん化学療法におけるプレアボイド報告事例の解析と業務時間の調査 | 近畿薬剤師合同学術大会2023 |
2022年度 | 小森 幸果、塚原 優太、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 患者支援センターにおける薬剤師介入の現状報告 | 2023年度 近畿国立病院薬剤師会学術大会 |
2022年度 | 小原 直紘、小田 亮介、丸山 直岳、土井 敏行 | 医薬品情報管理におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組み | 日本薬学会 第143年会 |
2021年度 | 小原 直紘、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 医薬品管理におけるタスク・シフト/シェアの推進に向けた取組みと現状 | 第75回国立病院総合医学会 |
2021年度 | 市原 英則、塚原 優太、 小原 直紘、西詰 考敏、中澤 誉、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 患者支援センターを起点とした持参薬管理に対する早期介入の取り組みと効果の検証 | 第75回国立病院総合医学会 |
2021年度 | 杉山 紗彩、市原 英則、藤本 佳奈、塚原 優太、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | エナラプリル投与により気道挿管を要する血管性浮腫が生じた1症例 | 2021年度 近畿国立病院薬剤師会学術大会 |
2021年度 | 市原 英則、松田 璃沙、塚原 優太、中澤 誉、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | がん患者におけるビスホスホネート系注射薬剤およびデノスマブ初回投与前の歯科受診に関する実態調査 | 第31回日本医療薬学会年会 |
2021年度 | 江島 怜那、 小原 直紘、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 患者支援センターにおける薬剤師の早期介入による有用性の評価 | 第31回日本医療薬学会年会 |
2021年度 | 森本 健幹、土井 敏行、高橋 雄也、竹内 陽亮、長島 裕樹 | アドレナリンβ2刺激薬とテオフィリンの併用で低カリウム血症が増悪したギッテルマン症候群の一症例 | 第43回日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
2021年度 | 山階 規子、森本 健幹、綿榎 充穂、中澤 誉、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | カボザンチニブによる消化管穿孔を発症した1症例 | 第43回日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
2021年度 | 杉野 太亮、稲田 顕慶、壇 梨恵、村津 圭治、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 当院での集中治療室における薬剤師の取り組みについて | 第43回日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
2021年度 | 稲田 顕慶、壇 梨恵、杉野 太亮、村津 圭治、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 集中治療室(ICU)において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のVV-ECMO使用において鎮痛鎮静管理に難渋した1症例 | 第43回日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
2021年度 | 壇 梨恵、稲田 顕慶、杉野 太亮、村津 圭治、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 当院の救命救急センターにおけるCOVID-19患者に対するBaricitinibの使用状況 | 第43回日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
2021年度 | 東 里奈、田中 亮、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | 当院におけるアナモレリン塩酸塩の使用状況調査 | 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2022 |
2021年度 | 中澤 誉、森本 健幹、丸山 直岳、別府 博仁、土井 敏行 | SIADHを合併した小細胞性前立腺がん患者の疼痛管理において眠気の原因探索に難渋した1症例 | 日本薬学会第142年会 |