治験についてのQ&A
新しい薬と治験のしくみ
治験とは
◆ 「治療試験」:治療を兼ねた試験
◆ 開発中の新しいくすりを実際に使用して
- 「効果があるか」=有効性
- 「安全か」=安全性
を、科学的に調べる
患者様の治療を兼ねながら、新しい、より効果のあるくすりの可能性を試すもの
新しいお薬が誕生するまで
- 有効な物質の発見・合成:基礎研究 2‐3年
たくさんの中から薬となる物質が発見される可能性は「1万分の1」 - 動物実験:非臨床試験 3‐5年
安全か、効き目はあるか - 臨床試験 3‐7年
人が使った時に安全で効き目があることを証明する - 承認審査 2‐3年
厚生労働省(国)による審査 - 認可後の評価:市販後調査
安全性と効き目を確かめる
治験にはどんな種類がある?
◆ 3つの段階
◇ 第1段階(第1相)
- 少人数の健康な大人を対象。
安全性・体内での働き方
◇ 第2段階(第2相)
- 少人数の患者様を対象
- 安全性・効き目
くすりの有効な使い方
◇ 第3段階(第3相)
- 数多くの患者様を対象
治験はどのようにして行われる?
◆ 参加するための条件:厳しい基準
◆ 比較試験が基本
◇ くすりの候補-比較する薬
◇ くすりの用量 など
◆どちらを使うか誰にもわからない
:無作為化割付
◇ グループ分けして、くすりを割り当てる
◆どちらを使うかは誰も決められない
:二重盲検法
◇ 渡す医師にも、使う本人にも分からない
参加する人の人権と安全
◆厚生労働省(国)が定めたルール
◇ 医薬品の臨床試験の実施に関する基準
GCP:Good Clinical Practice
◇ 治験の目的・内容について
治験の目的・内容について十分な説明を受け、参加するかどうかはご自分の意思で自由に決められる:インフォームド・コンセント
◇ 参加を断ったり、参加を決めた後に取り止めても、その後の診療で不利益になるような扱いを受けることはない
治験参加のメリットとデメリット
■ 開発中の最新の治療法をいち早く受けられる
■ 充実したケア
■ 待ち時間・診察時間・場所の便宜
■ 治療費の負担が少ない
■ 負担軽減費(交通費など)が支払われる。
■ 副作用の可能性
■ 治療効果のないくすりを服用する可能性(プラセボ)
■ 定期的な通院が必要
■ 正確な服用を心がける
■ 服薬記録や日記をつける
■ 検査や診察が通常よりも時間がかかる