地域・在宅で生活する人を支える福祉・介護機器、介護用品を実際に見てきました
地域・在宅看護援助論Ⅱの授業の一環で、看護学科2年生が京都市内にある福祉介護用品の展示施設に行ってきました。健康障害をもちながら自分が望む暮らしを送るために、どのような介護用品や福祉用具があるのか、それをどのように活用するとQOLの向上につながるのか、どのような社会福祉制度を活用することができるのか、など実際の福祉介護用具を自分の目で見て、手で触れて、施設の皆さんから話しを聞くことで、学びを深めることができたようです。
歩行器・車いす展示コーナー
歩行器・車椅子は身体の大きさ・使用や状態、場所によって種類がありました。 ショールーム内のフリースペースを使い、実際に試乗して、体感してきました。
【学生の声】
歩行補助具には、安全に移動できるように多様な種類がありました。自宅で使うために作られたもの、電車やバスに乗れるようにコンパクトに作られたもの、坂道を軽い力で上がれるように電動補助機能が付いているものなど、どれも快適に自分らしい生活を送れるような工夫がされていると感じました。
介護ベッド・リフトコーナー
様々な種類のベッドがありました。自力での移動が難しい方のために、移乗をサポートしてくれる移動用リフトを体験しました。
【学生の声】
介護用リフトを使用することで、患者さんを持ち上げる労力がかからない分、援助する側にもされる側にも身体の負担が軽減できるという利点があることがわかりました。でも、費用が高いことや、移動に時間がかかってしまうことが問題だなあ、と思いました。
医療機器展示コーナー
手首で測定する血圧計や、人工喉頭など実際には見たことがないものも展示されていました。
【学生の声】
手首で測定する血圧計や輸液チューブ、経管栄養で使用するボトル、呼吸器疾患を持つ人へのポータブル吸引器など、学校の授業や実習で見た医療機器や、喉頭摘出を行った人への人工喉頭のように学校で見たことのない機器もたくさん展示されていました。実際に実物を見て触ることで、医療機器に対して、より一層の興味をもちました。
靴・杖展示コーナー
たくさんの杖や靴をショールーム内で試し履きさせてもらいました。
【学生の声】
片足ずつ靴を買えることに驚きました。両足で靴を買うことが当たり前と思っていましたが、ケガや治療のため左右のサイズが違う人もいます。自分の足にあった靴を買える当たり前をありがたいと思いました。また、手を使わずに簡単に靴を脱いだり履いたりできる工夫がされていたり、自分の好きなものを選べるようにいろんな色や柄のものがあり、患者さんの活動意欲を高めるアイテムになると思いました。
補助食品展示コーナー
さまざまな介護度の患者さんが安全に楽しみながら日常生活を送ることができるように、栄養補助食品や食事補助食器、増粘剤などが展示されていました。
【学生の声】
「容易に噛める」「舌でつぶせる」など噛む力に応じた介護食が販売されていることを知りました。いままでの食習慣を尊重し、栄養摂取だけを目的とするのではなく、「家族と一緒に食事をしたい」という患者さんの思いをかなえることにつながると思いました。
まとめ
見学後、学生から「介護用品や福祉用具がこんなにたくさんの種類があることを知らなかった。」「利用者の生活に合わせた社会福祉制度の活用について情報提供できるようになりたい。」という意見が多くあがりました。様々な特性をもつ豊富な介護用品や福祉用具は、その選択や使い方を誤ると、利用者の自立を妨げるだけでなく、安全を脅かすことにもつながりかねません。そのため、利用者の身体機能や生活環境、ニーズ、好みを十分に把握し、福祉用具選びをサポートしてくれるのが福祉用具専門相談員などの専門職と協力しながら、利用者に合った介護用品・福祉用具の選択をすることで、利用者はもちろん介助者も快適で安全な生活を送ることができます。また、学生が見学しているときに、海外の方も見学に来られていて、地域・在宅看護の対象の多少性も感じる機会となりました。
今回のこの展示施設で学習したことを、これからの学習や患者さんへの関わりに活かしていってほしいと思います。