専門看護師・認定看護師

地域の感染防止対策に貢献する感染管理認定看護師

感染管理認定看護師
 宮川 英和

2025年11月12日

地域連携カンファレンス

感染対策の施設基準は感染防止対策向上加算1〜3まであります。当院は向上加算1を収得しています。
向上加算1を収得するための要件の中の1つに、多職種からなるICT(Infection Control Team)を構成し、専従者(医師又は感染管理認定看護師)を1名配置することが求められます。診療報酬は、入院患者1名につき加算1が710点(7100円)、加算2が175点(1750円)、加算3が75点(750円)となっています。
感染防止対策加算1の施設は、地域における感染防止対策のリーダーとしての役割を担っています。2019年12月に発生したCOVID-19は世界的なパンデミックになり、社会活動が停滞しました。COVID-19 の流行を教訓とし、次なる新興感染症に備えるために、感染防止対策加算1の施設が中心になり、地域の感染防止対策向上の為、感染防止対策加算2の施設や保健所と連携し定期的に地域連携カンファレンスを行っています。
また、年に1回感染防止対策向上加算1の施設同士で感染対策相互チェックを行い、感染対策の向上を目指しています。このような活動をICNが調整役となり行っています。

地域連携カンファレンスについて
私たち感染制御部は、地域施設8施設と4回/年カンファレンスを開催し、感染対策の情報交換や 勉強会を行っています。
4回のうち1回は新興感染症を想定した訓練を行います。
昨年は、新興感染症を想定した訓練として、架空の新興感染症の発生シナリオを作成し、初期対応を確認しました。
シミュレーション訓練をすることで、心構えができると参加者からは好評でした。

地域連携カンファレンスの風景

地域連携カンファレンスの風景
参加施設:8施設

2025年11月12日、地域連携カンファレンスを開催しました。
この日は基本の確認として「標準予防策」の勉強会を行いました。その後、各職種に分かれて各施設の病原体発生状況や、感染対策における相談、意見交換を行いました。意見交換会では、最近よく耳にするようになった陰部清拭シートを使用している施設から使用状況の報告がありました。

感染対策相互チェック

感染対策相互チェックについて
自施設の感染防止対策を客観的に評価し向上させるため、感染防止対策向上加算1の施設同士で、年に1回感染対策相互チェックを行っています。
連携施設は、京都市立病院とNHO宇多野病院です。相互チェックを行うことにより、他施設の取り組みを知り、自施設を客観的に評価する機会になります。また、感染対策のネットワーク作りにもなっています。

過去に指摘されたところ
  • 水周りに物が多い
  • 薬剤の開封期日がない
  • 手指衛生が出来ていない場面がある
  • 消毒容器に蓋がない など
過去に褒められたところ
  • オムツや体液汚染されたものに、レジ袋が使われ環境汚染に配慮している
  • 物品のゾーニングが出来ている など