京都医療センター

糖尿病内科

糖尿病センター

糖尿病センター創立40周年を迎えて

糖尿病センター創立40周年のごあいさつ 京都医療センター糖尿病センターはわが国でも最も長い歴史をもつ糖尿病専門診療施設のひとつです。昭和43年(1968年)に開設された国立京都病院糖尿病外来は その後糖尿病センターに発展し平成20年(2008年)6月に創立40周年を迎えます。

昭和36年(1961年)赤澤好温を中心とする数名のスタッフが「糖尿病相談室」をひらいて専門的な糖尿病診療を始めました。同年 糖尿病患者会である「国立京都病院糖友会」が結成され多くの会員を集めます。この糖友会の後押しや院内諸部門の協力を得て糖尿病のチーム診療システムが確立され 昭和43年(1968年)6月 糖尿病相談室は移転新装されて「国立京都病院糖尿病外来」と名をあらため、念願であった糖尿病専門クリニックとしての本格的活動を開始しました。 そして関係者一体となった活動が実り昭和45年 厚生省により「国立京都病院糖尿病センター」設立の内示を受けました。

その後糖尿病センターはいくつかの節目を経てさらに発展します。
昭和53年(1978年)、国立京都病院に「内分泌代謝性疾患の研究」を付与機能とする臨床研究部が設置され 糖尿病関連の臨床研究が本格的に開始されました。糖尿病センターは甲状腺診療部門とあわせ内分泌代謝性疾患センターと呼称されるようになりました。新病棟移転を契機にそれまで築いてきたチーム診療をさらに発展させた糖尿病教育入院プログラムがスタートします。
昭和63年(1988年)、国立京都病院は糖尿病診療や糖尿病教育の実績が評価されWHO(世界保健機関)から「糖尿病治療と教育のためのWHO協力施設」に指定され、以降国際協力活動がはばひろくおこなわれるようになりました。
平成11年(1999年)、国立京都病院は内分泌代謝性疾患分野における高度専門医療施設となりました。これを契機としてより専門性の高い糖尿病診療能力の獲得をめざして一連の各種専門外来が開設されました。 現在、一般糖尿病診療や患者教育システムに加えて5つの専門外来が活動する、日本でも有数の本格的糖尿病診療施設に成長しています。この間 昭和45年(1970年)から、伏見医師会とともに数次にわたって伏見糖尿病研究会を設立運営するなど 糖尿病地域連携診療にも積極的に参画してきました。
一方 我が国最初の糖尿病疫学調査(平成元年~10年)や2型糖尿病の一次予防、二次予防の研究など、重要な学術的貢献がなされてきたことも特筆されるべき成果です。平成15年には臨床研究部は研究センターに昇格し、新しく整備された糖尿病関連の4つの研究室が多くの研究員によって運営され活発な研究活動がおこなわれています。

私たちは 京都医療センター糖尿病センターの創立40周年を これまでセンターを支え援助していただいたすべての患者様や歴代職員と共に心から祝賀するものです。またこの間ご指導いただいた院内外の皆様に深く感謝いたします。この重要な節目に際し、記念事業としていくつかの活動を計画しています。祝賀会や講演会の開催とともに 糖尿病センター40年の文献や資料を諸方面の協力をいただいて広く収集、整理保存し、「40年史」として編纂することを事業の中心とし 同時に患者様や歴代の職員の方々にはこの間のご経験を回想し文章にしていただいて記念文集「私たちの糖尿病センター」としてまとめることにしています。さらにこのような40年におよぶ糖尿病診療の経験を整理、研究するなかで得られたものを、 糖尿病や生活習慣病の療養に役立つ教育学習機能の整備充実という形で今後に生かしていきたいと考えています。

糖尿病センター40周年の記念すべき年を迎え この間皆様方からいただきましたご指導ご助力にあらためて深い感謝の気持ちをお伝えするとともに さらにいっそうのお力添えをいただきますようお願い申し上げます。

平成20年4月

京都医療センター糖尿病センター創立40周年記念事業発起人
小出 操子  大石 まり子  葛谷 英嗣
山田 和範   河野 茂夫       

糖尿病センター創立40周年記念講演会